立誠ガーデン ヒューリック京都
プロジェクト
不動産の先にある
地域の
暮らしと幸せを開発する。
それがPPP事業。
立誠ガーデン ヒューリック京都
「立誠ガーデン ヒューリック京都」は、貴重な近代建築である元・立誠小学校の校舎を保全・再生した既存棟と、それにデザインを調和させた新築棟から構成される複合施設として2020年に開業。ホテル施設である「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」に加え、「ヒューリックホール京都」や「立誠図書館」のほか、商業8店舗が入居している。
竣工
2020年6月
規模
地上8階、地下1階
用途
ホテル、商業施設
Member
-
R.O
新事業創造部 /
2016年新卒入社 /
人間環境システム専攻卒業
※所属部署・役職・内容は取材当時のものです。
Part01
100年近く受け継がれてきた
想いを、
未来につなぐ。
歴史ある元・立誠小学校を有効活用するため、京都市が公民連携の民間事業者の募集をかけたことが発端となって始まったこのプロジェクト。手を挙げた民間事業者の数は、ヒューリックを含め13社。非常に高い競争率の中、なぜヒューリックが勝ち取ることができたのか。
それは、やはり地域の方々の意見を、より多く提案に反映させたことが要因であると考えています。地域の方々の意見を聞くため、コンペが始まる前から何度も京都には足を運びました。プロジェクトが始まってからも、1年間のうち100日程度は京都に滞在していたんじゃないでしょうか。
何度も京都に行っていたのは、ヒアリングのためだけではなく、「地域の皆さんに信用していただく」という関係構築の意図もありました。ヒューリックは東京の物件を扱うことが多く、京都の方からは馴染みがない会社です。そのため、「東京の会社が勝手に進めるんじゃないか」という地域の方々からの不信感を払拭する必要もありました。
地域の活動やイベントがあれば積極的に参加する。学校の校庭で地域の皆様とやぐらを組んで盆踊りに参加したり、防災訓練や地域のパトロール、プロレスイベントに参加したことも。
そのおかげか、地域の方々から「ヒューリックさん」と呼ばれていたのが、ある日「Oくん」と呼んでもらえるように。自分が地域の一員となってプロジェクトに参加していることを実感できた瞬間でしたね。
Part02
地域に住むすべての人に認めて
もらえる
開発でないと
意味がない。
地域の方々の想いを開発に反映することができたポイントは、本当に数えきれないほどあります。
例えば、旧校庭は形を残すために、憩いの空間や賑わいの拠点となる「立誠ひろば」として残したこと。元・立誠小学校は日本で初めて映画の試写実験が行われた場所としても知られていることから、文化活動を今後も行うための場として「ヒューリックホール京都」を設けたことなど様々です。
その中でも、一番成功したと実感しているのは、立誠小学校時代に道徳や礼儀作法を学ぶ場として使用されていた「自彊室(じきょうしつ)」のリニューアルですね。この部屋は、60畳近くある大広間なのですが、この部屋でたくさんのことを学ばれてきた地域の方々が多く、非常に想いの込もった空間だったんです。
どうにかして、そのまま残せないか。そう考え、ホテルの共用部としてホテルのイベントや定期的に地域の交流スペースとして活用できる「Retreat Room(リトリートルーム)」として展開。竣工時、この部屋に入った地域の方々から「小さい頃の記憶が蘇った」「ありがとう」と涙を流しながら言葉をかけてくれたことは、今でも忘れられません。
工事中にも地域の活動が継続できるよう、計画敷地内に地域活動スペース・図書館などを併設した仮設の現場事務所を設置。
PPP事業は、特に地域との関りが求められる事業。
だからこそ、関わる人たちだけではなく、その地域すべての人たちに認められるような開発をしていかなければなりません。今回の立誠ガーデン ヒューリック京都のプロジェクトも簡単ではありませんでした。
しかし、「本当に地域の皆様にとって良い開発とはなんだろう?」と考え続け、不動産の先にある、人々の生活や幸せを考えながら開発ができた。それが、このプロジェクトを成功に導くことができた理由なのではないでしょうか。
(左画像)
工事中にも地域の活動が継続できるよう、計画敷地内に地域活動スペース・図書館などを併設した仮設の現場事務所を設置。