
LICOPA鶴見 プロジェクト
建物の持つポテンシャルを
最大限に引き出し、
新たな価値を創造する。

LICOPA鶴見
「LICOPA」は、地域生活の新しい拠点、日常生活の交流HUB「Life Community Park」のコンセプトのもと、人と人との交流や出会いを生み出す「まちの公園」のような、コミュニティの中心地となる場所として2021年に開業。開放感あふれる芝生広場「PARK」や、飲食スペースとイベントスペースが一体となった「GARDEN」、そのほか33の商業店舗が入居している。
竣工
2021年9月リニューアルオープン
規模
地上5階、地下1階
用途
商業施設
Member
-
M.Y
バリューアッド事業部 /
2017年中途入社 /
社会学部卒業 -
A.G
バリューアッド事業部 /
2019年中途入社 /
経営学部卒業
※所属部署・役職・内容は取材当時のものです。
Part01

ただ新しくするのではなく、
ふらっと寄りたくなる「公園」
のような施設に。

ヒューリックが2018年に取得したイトーヨーカドー鶴見店を、株式会社イトーヨーカ堂様との連携・協働のもとバリューアッドさせていこうとスタートしたのが、この「LICOPA鶴見プロジェクト」。
当時のイトーヨーカドー鶴見店は、開業後20年超を経て、他店との競合や顧客志向の変化などから集客力不足・売上減が課題となっていました。ただ単にリニューアルするだけでは、抜本的な解決にならない。新たな客層を獲得しながら、幅広い世代の方々により多く来館していただくためにはどうすればいいのか。まずは、施設の目指す方向性、軸となるコンセプトを練るところから着手しました。
考えを巡らせる中で、「幅広い世代を受け止め、思い思いに過ごせる楽しい場所」という漠然としたイメージから思い浮かんだのは、「公園」というキーワードでした。後に施設名称となった「LICOPA」のコンセプトとなった「Life Community Park」の原型は、この時に生まれたものでした。「ふらっと寄りたくなる場所」「くつろげる場所」そんなLICOPA鶴見の進むべき方向性が定まった瞬間でしたね。

テナント誘致の際にも、「Life Community Park」というコンセプトは非常に意識しました。
まず、より多くの人に認知してもらうため、目玉となるようなテナントさまにご入居いただく必要があると思い、「生活」というコンセプトに近い大型百円均一を誘致し、施設の目玉に。また、生活に寄り添った施設として、できるだけ毎日来てもらえるようにしたい。そんな想いから、クリニックモールや理髪店といった生活サービスに密着したテナントさまにご入居いただきました。
プロジェクトを通して手応えを感じた瞬間…それはやはり、2021年にLICOPA鶴見がオープンした時ではないでしょうか。オープン日には開店前から行列ができるほど、老若男女関わらずたくさんの人にご来場いただくことができました。
新たな価値を創造する、そこに至るまでには0から1を生み出す苦難がありましたが、その分だけ達成感を感じたのを今でもよく覚えています。
Part02

建物の商品企画から、
マーケティング施策立案まで。
アイデアが成功に
つながった瞬間。

LICOPA鶴見を、人と人との交流や出会いを生み出す「まちの公園」のような場所にしたい。その想いから生まれたのが、1階の中央吹き抜け部分にある、開放感あふれる芝生広場「PARK」です。吹き抜け部分はテナントさまに貸し出し、収益を生む場所として利用するという案もあったのですが、そのためには防火設備の増設など多大な費用が必要だったことに加え、ただのレンタルスペースにするだけでは他の商業施設との差別化も図れない。
LICOPA鶴見を「ふらっと寄りたくなる、公園のような場所」 にするためには、この吹き抜け部分に何が必要か。担当者で議論を重ねる中でたどり着いたのが、「子どもが楽しく遊べる遊具や丘を設置して、“本当の公園”にする」という案です。地域の皆様が愛着を持って何度も通ってもらえるはずだと。
吹き抜け部分を公園にすると決まった後は、特にどのようなお客さまに来ていただきたいか、その為に必要な設備・遊具は何かを考え、実際にどの遊具を設置するかという選定も行いました。その遊具選定の際、特に力を入れたのは「安全に使用できるか」という点の吟味です。楽しそうな遊具であることももちろん重要ですが、遊具を設置する以上、子どもが怪我をしてしまうリスクは徹底的に排除しなくてはいけません。
ヒューリックでは広場や公園に関する開発事例が少なかったため、いろんな公園を視察したり、候補の遊具を実際に設置している幼稚園のもとに伺い、どんな安全対策をとっているか聞いたりしました。中でも“丘”の設置には特に気を遣いましたね。子どもは滑り台や坂が大好きなので、遊具としての丘は欠かせないアイテム。しかし、子ども同士の衝突等怪我のリスクが伴います。そういったリスクを極限まで減らす為、「斜面の角度はどの程度が適切か」「斜面の端から柱まではどの程度余白スペースを設けるべきか」など、メーカーや国土交通省の指針を守るのはもちろん、自分で何度も工事現場に出向き、納得のいく配置を行ないました。

そうした建物作りを終え、いよいよ開業準備。より多くの地域の方にご来場いただくために、開店の数ヶ月前からマーケティング施策にも着手しました。今回、特に集客したかったのは、周辺3km商圏に住む20代~30代の若年層。商圏内に一番多い年齢層である一方、リニューアル前の施設では獲得できていない層でした。そのため、広告媒体も紙面広告や折込み広告などのオフライン広告ではなく、若年層に届きやすいSNSを活用した告知手法を選択。その一環で、近隣の方々や大学生にも出演していただき、YouTube動画も作成しました。
とりわけ上手くいったのが、SNS会員限定のプレオープン企画ですね。オープン前日に、SNS会員の方のみ限定入場できるという企画を行なったのですが、非常にたくさんの方々にご来場いただくことができました。
オープン後、業界紙やウェブニュースに取り上げられたのも嬉しかったですが、何より、鶴見の地域の方々から良いお声をたくさんいただいたことが嬉しかった。なかには「何年も住んでいるけど、よく行くようになりました」というお声も。同業他社からは「オフィスビルの印象のヒューリックが、こんなこともやるんだと驚いた」とか、「吹き抜けのPARKを見て、施設のコンセプトがとてもよく伝わってくるね」などのお声をいただき、とても嬉しかったのを覚えています。
私は中途入社として、「商品企画から運営まで携わりたい」「裁量のある仕事をしたい」と思いヒューリックに転職した身ですが、不動産の商品企画、施設のコンセプト作り、テナントリーシング、内装の仕様決め、開業販促施策の企画まで、自ら考えて実現させられたことはとても嬉しく、自信につながりました。自分の考えた企画で喜んでくれるお客さまがいることが、これ以上ないほどの喜びだということをヒューリックに入ってから知ることができました。
当社は、「溢れんばかりの当事者意識を持とう」という価値観・行動軸があります。当事者意識を持ち続けること、自らやり切ることの継続は簡単なことではありませんが、大変な分得られる達成感があります。これからも高い当事者意識を持ち続け、様々な仕事に挑戦していきます。